「大学には実家から通えるけれど、一人暮らしをしてみたい…」
そんな気持ちを抱く大学生は少なくありません。新しい環境で自由な生活を送りたいという憧れは理解できますが、慎重に考える必要があります。
自宅から大学までの通学が可能であるにもかかわらず、一人暮らしを選択するとなると、「本当にそれが最適な選択なのか?」と悩むもの。一人暮らしには自由がある一方で、「経済的負担」や「生活面でのストレス」など、気をつけるべき点も多く存在します。
勢いだけで実家を離れると、予想外の困難に直面し、結局すぐに実家に戻ることになるケースも。さらに、引っ越しや生活費などの費用が無駄になる可能性もあるため、しっかりと準備と検討を重ねることが重要です。
【大学生向け】実家から通えるのに一人暮らしを考える際の5つの注意点
大学生活を迎えるにあたり、「実家から通える距離だけど、一人暮らしをしてみたい」と考える学生も多いでしょう。しかし、自由な生活への憧れだけで決断すると、思わぬ出費や負担が発生することもあります。
ここでは、一人暮らしを始める前に押さえておくべき重要なポイントを5つ紹介します。
1. 住居費の初期費用と家賃の相場を知っておく
一人暮らしを始めるには、毎月の家賃だけでなく、契約時に発生する初期費用も考慮しなければなりません。主な費用は以下の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
家賃 | 1ヶ月分 |
敷金 | 1ヶ月分〜 |
礼金 | 1ヶ月分〜 |
共益費 | 数千円〜 |
仲介手数料 | 家賃0.5〜1ヶ月分 |
火災保険料 | 1万円〜 |
保証会社利用料 | 数千円〜 |
引っ越し費用 | 1万円〜 |
さらに、物件によっては「鍵の交換費」や「敷金3ヶ月分」など、より高額な初期費用がかかることもあります。一人暮らしを決める前に、トータルでどのくらいの資金が必要か計算し、無理のない計画を立てましょう。
2. 家具・家電の購入費用を考慮する
新生活を始める際には、住居費だけでなく、家具や家電の購入費用も発生します。主に必要なものを挙げると、以下のようになります。
- テレビ
- ベッド
- 洗濯機
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
これらの基本的な家電や家具だけでも、合計で20万円以上かかることが一般的です。家庭の事情によっては「実家から通学してほしい」と親から要望されることもあるため、費用面をしっかり把握したうえで家族と相談することが大切です。
3. 家事の負担を理解しておく
一人暮らしを始めると、これまで親に頼っていた家事をすべて自分でこなさなければなりません。特に大変なものとして、以下のような作業が挙げられます。
- 毎日の食事準備(自炊)
- 洗濯
- 掃除
- 生活用品の買い出し
大学の授業やアルバイトで忙しい中、これらの家事をこなすのは予想以上に負担が大きいものです。「想像していたより大変だった」と感じ、結局実家に戻るケースも少なくありません。家事のスキルや生活習慣を考えたうえで、一人暮らしに適応できるかどうかを判断しましょう。
4. 生活習慣の乱れに気をつけよう
一人暮らしの大きな魅力は、誰にも干渉されずに自由に生活できることです。しかし、その反面、生活リズムが崩れやすくなるというデメリットもあります。
規則正しい生活を維持するのは意外と難しい
実家では「早く起きなさい」「夜更かししすぎないように」と家族に声をかけられることで、ある程度の規則正しい生活が保たれていた人も多いでしょう。しかし、一人暮らしになると、そうした管理がなくなり、気づけば昼夜逆転の生活になってしまうことも珍しくありません。
健康的な食生活を意識しよう
また、食事面でも気をつけるべきポイントがあります。外食やインスタント食品に頼る機会が増えると、栄養バランスが偏り、健康を損なう可能性があります。
生活リズムの乱れや栄養不足が続くと、大学への出席率が下がり、結果として単位を落とすリスクも高まります。自分で生活管理をする自信がない場合は、無理に一人暮らしをするよりも、実家から通学する選択肢を検討したほうがよいでしょう。
5. 孤独感への対策も考えておこう
一人暮らしは、自分の時間を自由に使えるメリットがある一方で、孤独を感じることもあります。
一人の時間が長いと寂しさを感じることも
「誰とも話す機会がなくて辛い」「休日は一人で過ごすのが寂しい」など、実家暮らしでは感じなかった孤独感に悩む人も少なくありません。特に、家族や友人との交流を大切にするタイプの人は、一人暮らしが想像以上に合わないと感じることがあります。
孤独によるストレスが心身に影響を及ぼすことも
孤独が続くと、ストレスが溜まり、精神的に不安定になることもあります。「実家に帰りたい」「誰かと一緒に住みたい」と考えるようになり、一人暮らしを続けることが苦痛になるケースも。
このようなリスクを考慮し、一人暮らしを始める前に、自分の性格や環境に適しているかどうかをよく考えましょう。定期的に友人と会う機会を作る、オンラインでの交流を増やすなど、孤独を和らげる工夫も大切です。
実家から通えるのに一人暮らしを選ぶ3つのメリット
実家から大学へ通える環境にありながらも、一人暮らしをすることにはさまざまなメリットがあります。ここでは、一人暮らしを選ぶことで得られる3つの利点を紹介します。
1. 少ない荷物で気軽にスタートできる
実家が近ければ準備が最小限で済む
実家と一人暮らしの住まいが近い場合、家具や家電をすべて揃える必要がなく、最低限の持ち物で新生活を始めることができます。足りないものがあれば、必要に応じて実家から持ち出せるため、初期費用を抑えられるのも大きな利点です。
一人暮らしの向き・不向きを気軽に試せる
「本当に一人暮らしが自分に合っているのか分からない…」と迷っている人にとっては、実家近くで一人暮らしを始めることで、無理なく新しい生活スタイルを試すことができます。困ったときには実家のサポートを受けられるため、安心して挑戦できるでしょう。
2. 引っ越しコストを抑えられる
近距離なら業者を使わずに引っ越し可能
一人暮らしを始める際には、引っ越し費用が大きな負担になります。しかし、実家から近いエリアであれば、大掛かりな引っ越し業者を使わずに、自分や友人の協力で荷物を運ぶことが可能です。
徐々に生活環境を整えられる
遠方への引っ越しの場合、一度にすべての生活必需品を揃える必要がありますが、実家の近くなら「とりあえず必要最低限のものだけ持ち込んで、後から追加していく」という方法が取れます。時間をかけて自分に合った環境を整えられるため、焦ることなく引っ越しができるのもメリットです。
3. 自分だけのプライベート空間を確保できる
一人暮らしだからこそ得られる自由
一人暮らしを選ぶ最大の理由のひとつは、「自分だけのプライベート空間を持てること」でしょう。実家では家族の目が気になったり、生活リズムを合わせる必要があったりしますが、一人暮らしなら自分のペースで快適に過ごせます。
友人との時間を自由に楽しめる
大学生活では、友人と過ごす時間も大切です。一人暮らしの住まいがあることで、気軽に友人を招き、宅飲みやゲームなどを楽しむことができます。親の目を気にせずに過ごせるのは、大きな魅力のひとつです。
生活リズムの管理は自己責任
自由な生活を満喫できる一方で、生活習慣が乱れやすくなるリスクもあります。夜更かしや食生活の乱れには注意し、規則正しい生活を意識することが重要です。
まとめ
実家から通える距離でありながら一人暮らしを考える場合、事前にしっかりと準備をすることが重要です。
本記事では、一人暮らしを始める際に気をつけるべきポイントを紹介しました。主な注意点としては、以下の点が挙げられます。
- 住居費の初期費用と家賃の相場を確認する
- 家具や生活必需品の購入費用を把握する
- 家事の負担を理解し、生活スキルを身につける
- 生活リズムの乱れに注意する
- 孤独感を感じやすい点を考慮する
一人暮らしには自由がある一方で、経済的・精神的な負担がかかることもあります。そのため、あらかじめ生活費のシミュレーションを行い、自分にとって最適な選択をすることが大切です。
また、親のサポートを受ける場面も多くなるため、事前にしっかり相談し、無理のない範囲で計画を立てましょう。アルバイトやレンタルサービスを活用することで負担を軽減し、充実した一人暮らしを楽しむことも可能です。
実家からの通学が可能な環境であっても、慎重に判断し、自分に合った生活スタイルを選びましょう。